生きるヒント (2)

○ 五事を正す

   
貌(ぼう) 和やかな顔つきをし         ・・・・・顔

   
言(げん) 思いやりのある言葉で話しかけ  ・・・・・口

   
視(し)   澄んだ目で物事を見つめ     ・・・・・目

   
聴(ちょう) 耳を傾けて人の話を聴き     ・・・・・耳

   
思(し)   真心こめて相手のことを思う    ・・・・・心

※「五事を正す」とは、近江国高島郡小川村(現在の滋賀県高島市安曇川町)に生まれた江戸時代前期の
 儒学者(日本陽明学派の祖)で、近江聖人と称えられる中江藤樹先生の教えの一つです。「五事」とは、上
 の「貌(ぼう)、言(げん)、視(し)、聴(ちょう)、思(し)」を言います。これらを「正す」とは、普段の生活や周りの
 人々との交わりの中で、身近な「五事」を正すことをいい、人として生きていく上で大切なことを教えています。
 このことが、「誰とでも仲良く親しみ合い、尊敬しあい、認め合う美しい心」を磨くことであると教えられている
 のです。

○「大丈夫だ  心配するな  なんとかなる。」

     ※トンチで有名な一休さん。この一休さんが臨終の際、弟子達に「本当に困った時に開けなさい。」そう
        言い残した封書に書かれていた言葉だそうです。人生色々なことがありますが、「なんとかなります。」
        大切なことは「くじけないこと」です。

○幸せになったから感謝するのではありません。感謝するから幸せになってくるのです。
  豊かになったから感謝できるのではないのです。感謝できるから豊かになるのです。

※感謝について述べられた鍵山秀三郎氏の言葉です。
  鍵山氏は学校や駅等の公共トイレや施設、街角等をボランティアで掃除をする活動を長年されておられ、
  その活動を全国的・国際的な組織にまで発展させた方です。

○「善と悪」について

善は脳の内部に無限に潜入する。
悪は表面意識に止まり、内部に潜入しない。
(悪は)表面意識部に止まり善の内部への潜入を妨害する。
善は無限に潜入する。
善の潜入するほど無意識は無限に発展する。
(そして)明るくなる。
(そして)頭は軽くなる。
悪は表面意識に止まり、蓄積すればするほど頭は無意識を圧迫して苦しくなり、自由を欠く。
(そして)重くなる。
(そして)暗くなる。
ゆえに悪いことは考えるべきではない。

※畑山博著 「教師宮澤賢治のしごと」よりの抜粋です。宮澤賢治は「善と悪」について、上記のような授業を
  花巻農学校での教師時代にしています。

   賢治は「悪は脳の表面に止まり内部に侵入しない」と言っています。このことは、『悪い心や考えは自分しだ
  いで取り除ける。』ということを賢治は言いたかったことはではないかと思います。
   人の一生では、失敗や過ちを何一つせずすべてが順調にうまくいく、ということはなかなかありません。
  失敗をしたり、時には「悪い考え」が自分を支配したりするかも知れません。しかし、心の持ちようによって、
  表面に止まっている「悪」を追い払うことができるのです。
   このことは私たちに、明日への希望や立ち直る勇気を与えてくれます。
   ですので、「悪いことを考えず」、よいこと、例えば「誰かの役に立とう。」「誰かを喜ばせてあげよう。」「困って
  いる人を助けよう。」「よい行いをしよう。」「人の嫌がることはしないでおこう。」などという考えや「感謝の気持ち」
  を常に持ち続けていれば、必ずその人自身が明るい気持ちになることができ、よりよい人生を送れるのではな
  いでしょうか。
                                

○タイガーウッズ方式

 タイガー・ウッズ選手は、「プレーオフの時に、相手の選手がパットを打った瞬間に、心の中で
強く叫ぶそうです。何と叫ぶと思いますか?」
 普通の人であれば、『はずれろー』とか『入るなー』と思うでしょう。これが違うのです。
 タイガーウッズ選手は、『入れー』と、心の中で強く叫ぶ
そうです。

 「相手の失敗を期待するのではなく、相手の成功を祈ることによって、自分自身の精神も高まり、人間的にもすぐれた
ものになっていきます。また、そのような悪意のない純粋な心は自分自身のモチベーションをあげることにもつながる。」
と思うのです。
 皆さんも、
相手の失敗を願うのではなく、相手の成功を願う人間になってください。