3学期始業式講話
皆さん、新年明けましておめでとうございます。
平成20年(2008年)の幕開けです。昨年は食品の偽装事件が頻発したり、大きな汚職事件があったりとあまり良いニュースが聞けませんでした。どうか、今年は皆が平和で明るく暮らせる年であるよう願っています。
さて、「1年の計は元旦にあり」と言います。皆さんはこの1年をどのようなことに努力して過ごそうと考えましたか。「授業を一生懸命受けよう。」とか「県体に出られるよう頑張ろう。」、「○○ができるようになろう。」、「家での勉強を1日2時間はしよう。」、「テレビを1日2時間以上は見ないようにしよう。」、「人とケンカをしないようにしよう。」など、どんなことでもよいと思います。自分で何か目標を決めて、コツコツと取り組んでください。大切なことは、「自分の生活や態度を少しでも改善しよう」と心がけ、それに向かって地道に努力することです。
もし、「1年の計」を立てていない人がいたら、是非この機会に目標を作ってほしいと思います。毎日コツコツと努力することは、なかなか辛いものです。しかし、その辛さを乗り越える自分なりの「コツ」をつかめば、比較的容易に乗り越えることができます。その参考に、マラソンの君原健二選手のエピソードを紹介します。
すでに知っている人もいると思いますが、紹介したいと思います。
君原健二選手は、東京、メキシコ、ミュンヘンと3回連続してオリンピックに出場し、東京は8位、メキシコ2位、ミュンヘンは5位に入賞し、世界のトップランナーとしての輝かしい記録を樹立しました。このほかのマラソンも含めて、13回も優勝しています。そして、フルマラソンを48回走って一度も棄権したことがありません。
君原選手といえば首を横にふり、淡々とした表情でゴールヘひた走る姿が印象的ですが、その真摯な姿に世界中の人が感動をしました。決してハデさはなく、いつも、ひたむきで、努力の人でした。
この君原選手は、自分のマラソン人生を振り返って、次のようにおっしゃっています。
「私は小学校では、勉強もスポーツもダメの劣等生で、なにひとつ目立たない子どもでした。それが中学にあがり、誘われて陸上部に入り、走りはじめてから人生が変わりました。それまでのコンプレックスをバネに小さい向上心が燃えはじめ、真剣に練習に取り組みました。
運動会で1等になったことのない私がオリンピックに3回も出て銀メダルもとりました。人はそれぞれ大きな潜在能力(隠された能力)をもっています。
私は今までのレースで棄権したことは一度もありません。レース中に苦しくなると、目標を小さくして走りました。あと1km走ってみよう。あと100m走ってみよう・・・。最後にはあの電柱まで走ってみようと思ったのです。」
君原選手は、何を言いたいのでしょうか。先生は、こう思います。
「人生は長い道のりです。うまくいくときもありますが、辛くて投げ出したくなるときもあります。でも、自分の目標をしっかり持ち、自分の足もとをしっかりと見つめ、着実に歩んでいくことが大切なのです。遠くて長くて険しい道のりも、「あの電柱まで。そしてまた、次の電柱まで。」と小刻みに目標を決めて取り組むことで、大きな目標にたどり着くことができるのです。」
これから始まる3学期は今年度の締めくくりであると同時に、来年度からの新しい生活を迎えるための準備期間だと言えます。3年生は4月からの新しい生活(高校生活等)のスタートがうまくできるよう、最大限の努力をしてください。2年生は最上級生となるための学習の準備や修学旅行の事前学習等に頑張ってください。1年生はこの4月から2年生となり、中堅学年になります。石部中学生として責任ある心構えをもって、来年度に向けての学習や生活態度の見直しをしていってください。
どうか、石部中学校のみんなが、一人ひとり精一杯色々な活動に取り組み、すばらしく成長してくれることを期待しています。
そして、この石部中学校をみんなが安心して暮らせる、正義の通る学校にしてくれることを期待して、始業式の話を終わります。
皆さん、頑張りましょう。