これから、6月8日(水)〜10日(金)に行われた修学旅行について発表します。発表者は修学旅行実行委員の(菅沼)さん、(荒木)さん、(円丁)さん、(中山)さん、(水谷)さん、(伊藤)さん、そして(大城)です。よろしくお願いします。
東日本をおそった大地震の影響で、今年の修学旅行は当初の関東地方を断念し、鹿児島に行くことになりました。特別の措置なので、2年生や1年生の人には、参考にならない部分もあるかと思いますが、これから報告をするので聞いてください。私たちは、平和で豊かな生活に慣れきってしまい、何が大切なことなのかさえも見失いがちだったように思います。その意味では、被災地に近い関東をあえて訪問することも選択肢の一つだったのかもしれませんが、あの時の状況ではとても実施することは無理でした。今回は、鹿児島に行けて本当に良かったと思います。
それでは、行程にそって発表していきたいと思います。
修学旅行は梅雨時期なので天候が心配されましたが、1日目と2日目はなんとか良い天気でした。
写真のように自転車置場で出発式を行い、楽しみにしていた修学旅行が始まりました。朝早くから、見送りに来ていただいた先生もいて、とてもうれしかったです。ありがとうございました。
初めて乗る飛行機にたくさんの人が興奮し、どうなることかと思いましたが、その後のマナーもよく、CAの責任者の人がわざわざ「マナーの良さ」を校長先生にコメントしてくださいました。
わずか1時間で鹿児島に着き、修学旅行がスタートしました。
1日目の午後は、知覧特攻平和会館のホールで平和講演を聞きました。修学旅行の事前学習で、太平洋戦争の特攻作戦について学び、今回はさらにその学習を深めるものでした。
知覧での平和学習は修学旅行の大きな目的の一つでした。戦争の体験が風化しつつある今、絶対に語り継がなければならないものとして見学地を知覧としました。特攻平和会館での講話では、語り部さんの川床剛士さんの話に聞き入って戦争の悲惨さや愚かさ、当時の若者の心情を改めて感じ取ることができました。
1時間弱、このときは皆が真剣にしっかりと聞いていました。
話の後、会館の中を自由に見学しましたが、皆、復元された戦闘機や特攻隊員の遺影・遺書などに真剣に見入っていました。
若き青年たちが特攻隊員として次々と飛び立っていった知覧の地を実際に訪れたことで、平和への思いを強く持つことができました。
1日目の後半は、楽しみにしていた民泊体験でした。南さつま市や日置市、枕崎市の受け入れ家庭で民泊を体験しました。
民泊とは、3〜4人ずつに分かれて普通の家庭に泊まらせてもらうことです。どの家庭の方も優しくて、私たちは南薩の自然を満喫しました。たくさんの人が「もっと泊まりたい」と言っていました。
各家庭の計画で、吹上浜海浜公園で海に戯れたり、茶摘みなど農作業を手伝ったりして田舎の生活を楽しみました。
夜のバーベキューや早朝の梅の実採りなどさまざまなことを体験しました。あるグループの人たちは「ご飯がめっちゃおいしくてすごく楽しい。あと1カ月ぐらいいたい」と笑い合っていました。
2日目の午前中も引き続き民泊での体験でした。受入家庭の方々は、体験する内容を一生懸命考えて、私たちが来るのを心待ちにして、準備をされていたそうです。私たちは3〜4人の班ごとに次の日の昼すぎまで各受入家庭の家で過ごしました。梅雨時期の訪問としては、珍しく天気にも恵まれ、受入家庭の方々が工夫を凝らした体験内容となっていました。
受入家庭の方々の話では、私たちが夢中になって作業に取り組んでいる姿、ご飯を「おいしい」と言って食べてくれる姿がとても嬉しかったそうです。次の日の別れの際は、受入家庭の方々と記念撮影をしたり、お手紙を渡したり、覚えたての鹿児島弁を使ってみたり。お互い名残惜しそうに、バスの姿が見えなくなるまで、手を振り続けました。本当にいい思い出になりました。
それぞれの地区でお別れ会を行った後、指宿(いぶすき)温泉にむかいました。
指宿温泉では砂むしといって、砂浜の砂にもぐると天然の温泉でサウナ状態になるので、これを全員が体験しました。
手馴れた様子の砂かけのおじさんやおばさんに、「タオルを頭に巻いて、ここに寝て」と指示されるがまま、砂の上に寝転んで、上から砂をかけられるという流れ作業のような感じでしたが、ほとんどの人が初体験でした。気持ちよかったです。
ここでは、男子の一部が少し迷惑をかけました。男子だけが砂蒸し会館という公共の施設に行ったのだけれども、体験後の入浴でふざけて、一般の観光客の方に注意を受けました。その日の夕食では公共のマナーについてしっかりと反省しました。
3日目は、鹿児島市内の自主研修でした。自主研は、鹿児島の歴史や文化を学習する班別自主行動ということです。
鹿児島という地を十分に学習するために、2カ所以上のチェックポイントを通過することを条件とし、事前に計画したコースを自分たちだけで巡りました。
これまで奇跡的に晴れていた天候が急変し、時には土砂ぶりの雨となる悪天候の中、どの班も必死で計画を実行しました。最初の昼食エリア別にバス乗車し、その後、市バスや市電を使って移動しながら、維新ふるさと館、若き薩摩の群像、西郷隆盛銅像、山形屋一号館、
かごしま水族館などを訪れました。
本当にすごい雨の中で、初めての土地を巡るという悪条件の中、計画の変更を余儀なくされたものは、30班中、2班だけでした。また、15:00の集合時間に間に合わない班が1班ありましたが、かごしま市電になれていないために、路線を間違ってしまったという理由でした。
それでも、必至に集合場所に戻ってきてくれて、バス出発の予定時刻には間に合いました。
今回の修学旅行を振り返って、私はたくさんのことが経験できた、とても良い修学旅行だったと思いました。私の中で良い経験だなと思ったことはたくさんありますが、最も強く感じたのは、北中3年の仲間の絆です。行きの飛行機のCAさん、民泊の代表者の方からも「しっかりと節度をわきまえているし、みんなが楽しそうです。」とほめていただきました。
指宿の夕食前は残念な注意が続きましたが、Y君のサプライズバースデイでは、160人のハッピーバースデイの歌声、指宿海上ホテルの松崎さんから、「いい仲間ですね。一生のものになるといいですね。」とおっしゃっていただきました。
知覧の特攻隊について学んだときも、北中のみんなが一生懸命話を聞き、メモをとっている姿を見て、講師の川床さんが、講演の最後に「一番の学校だ」とほめていただきました。
平和の尊さを学び、鹿児島の自然や文化、歴史、伝統などと直接触れ合い、そして心温まる地元の人々との触れ合いを通して、日頃の学校生活では味わえない、さまざまな体験をすることができた修学旅行でした。わずか3日でしたが、私たち一人ひとりが成長したことを実感できました。
1年生、2年生の皆さん、どうだったでしょうか。私たちが学んだことは、それぞれに個人新聞にまとめました。3年生の教室や廊下に掲示してありますので、機会があれば見てください。
修学旅行では、たくさんの人にお世話になりました。本当にありがとうございました。修学旅行で学んだことを、これからの学校生活や私たちの生き方に生かしていきたいと思います。
最後まで聞いていただきありがとうございました。以上で発表を終わります。